長江上流の中国四川省宜賓市にある金沙江の雪灘水域と、江安県の香炉灘水域で今年3~4月に放流されたヨウスコウチョウザメが、自然水域での繁殖に成功した。受精卵499粒が採集され、その後の育成によって現地で47匹の稚魚が孵化した。四川省農業科学院水産研究所が14日、明らかにした。新華社が伝えた。
今回の成果は、四川省農業科学院水産研究所が、中国水産科学研究院長江水産研究所などと共同で進めてきた「ヨウスコウチョウザメ天然産卵場機能検証試験」における重要な進展と位置付けられている。
四川省農業科学院水産研究所の周波研究員によると、ヨウスコウチョウザメは2022年に国際自然保護連合(IUCN)によって「野生絶滅」とされた。今回、人工的な介入を行っていない自然水域で自然産卵と稚魚の出現が確認されたことで、雪灘水域と香炉灘水域の2カ所が、ヨウスコウチョウザメの自然産卵、受精、孵化を支える機能を備えていることが裏付けられた。野生個体群の再建に向けた有力な道筋を示した形だ。
ヨウスコウチョウザメは中国の国家一級重点保護野生動物で、「水中のジャイアントパンダ」とも呼ばれる。2023年と2024年には、人工的に造成した産卵場で野外繁殖に成功していたが、自然水域における自然繁殖の実現は、野生個体群再建に向けた最大のボトルネックとされてきた。
研究チームは今年3月に金沙江雪灘水域で100匹、江安県香炉灘水域で40匹の親魚を放流し、超音波標識遠隔計測システムを用いて放流した個体を追跡した。
その結果、3月27日から4月7日にかけて金沙江雪灘水域の試験区間で採卵ネットにより469個の完全な受精卵を採集し、その場で27匹の稚魚が孵化。また4月7日には香炉灘水域の試験区間でも河底に設置された採卵網により受精卵30個を採集し、20匹の稚魚が孵化したという。

(画像提供:人民網)