中国地質科学院の侯増謙院士(アカデミー会員)のチームが発見した月の新鉱物「セリウム・マグネシウム嫦娥石(Magnesiochangesite-(Ce))」が、国際鉱物学連合(IMA)新鉱物・命名・分類委員会の審査を経て正式に承認された。自然資源部(省)中国地質調査局が明らかにした。科技日報が伝えた。
同鉱物は、人類が発見した11番目の月の新鉱物であり、月隕石から見つかった新鉱物としては、米国とドイツの研究チームに続く3例目となる。中国が発見した月の新鉱物はこれで4種類となり、米国と並んで最多となった。
研究チームは、中国国内に落下した月隕石「Pakepake005」から、セリウム・マグネシウム嫦娥石を発見した。この隕石は2024年1月22日、新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠で見つかった。重さ44グラムの球状隕石で、表面は暗色の溶融殻に覆われ、白色の斜長石片や暗色の破片が確認できるという。
セリウム・マグネシウム嫦娥石は無色透明でガラス光沢を持ち、脆く、貝殻状断口を示し、明瞭な蛍光効果がある。この鉱物は主に半自形粒状または自形柱状の形で、カルシウム長石、苦土かんらん石、フッ素アパタイトの縁辺部に産出し、粒径は約3~25マイクロメートルで、多くは10マイクロメートル未満となっている。
第一発見者である中国地質科学院の王艶娟博士は、「今回の発見は、月の起源と進化を理解するうえで重要な手がかりになる。特有の結晶構造と化学組成は、月のマグマ進化や希土類元素の分布を調べる材料となり、月の物質組成を研究するうえでも重要なサンプルになる。また、この鉱物の発光特性は、新しい発光材料の研究にも参考になる」と述べた。
現在、セリウム・マグネシウム嫦娥石の原標本とタイプ標本は、中国地質博物館と中国地質科学院にそれぞれ収蔵されている。

セリウム・マグネシウム嫦娥石の理想結晶図。(画像提供:人民網)