2026年04月27日-04月30日
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「ネイチャー」誌、中国の「緑の長城」を砂漠化対策の事例として紹介

2026年04月30日

 英科学誌「ネイチャー」は15日、中国が進める「三北防護林工程」について、世界的な砂漠化対策の事例として取り上げた。同工程は「緑の長城」とも呼ばれ、1978年に始まった長期的な防砂林整備事業で、2050年まで続く計画だ。科技日報が伝えた。

 世界の陸地の約40%は、砂漠や水資源の乏しい草原、低木地、サバンナなどの乾燥地域に分類される。気候変動の影響で乾燥地域は拡大しており、2100年には地球の陸地の半分が乾燥地域になるとの予測もある。各国で大規模な植林による砂漠化対策が進められているが、若木が干ばつや放牧、管理不足で枯れる例も多く、長期的に維持する難しさが課題となっている。

 中国の「三北防護林工程」では、対象地域の森林被覆率が1978年の約5%から2023年には14%近くまで上昇した。水土流失面積は約3分の2減少し、砂じん嵐の強度や頻度も低下したとされる。

 ただし、中国の取り組みも当初から順調だったわけではない。初期には単一樹種を大規模に植える方法がとられ、環境に適応できずに枯死する例もあった。その後、地域ごとの水資源や気候条件に応じて、樹木、低木、草地を組み合わせる方向に修正された。植林面積を増やすだけでなく、防砂効果、インフラ保護、地域住民の生活改善を組み合わせる考え方に変わってきた点が特徴だ。

 新疆ウイグル自治区のタクラマカン砂漠を通る砂漠公路では、道路沿いに約440キロにわたる耐乾性低木の防護帯が整備されている。当初はディーゼル発電による点滴灌漑に依存していたが、その後、太陽光発電を使った灌漑に切り替えられ、2022年には「ゼロカーボン」型の砂漠公路になったという。

 近年は、砂漠周辺で大型の風力発電や太陽光発電基地の建設も進む。太陽光パネルは発電だけでなく、地表に日陰をつくり、土壌の水分保持を助ける効果もある。関連産業が地域の雇用や収入につながる例も出ている。

 ネイチャーは、中国の経験について、長期戦略、継続的な資金投入、過去の失敗からの修正を重ねた点に注目している。従来の砂漠化対策は、植林面積や本数が成果指標になりがちだったが、中国では近年、砂じん嵐の減少、砂丘の移動抑制、住民収入の改善など、実際の効果を重視する方向に移っているという。

 同誌は、中国の「緑の長城」の実践は、大規模な生態修復が不可能ではないことを示す一方、その効果を維持するには、政府の継続的な関与と、自然環境、地域社会、産業を含めた長期的な調整が必要だと指摘している。

 
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