2026年05月11日-05月15日
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唐末の河東節度使・李克用の容貌、テクノロジー考古学で復元

2026年05月11日

 復旦大学のテクノロジー考古学研究チームは5日、唐代末期の河東節度使である李克用の顔面復元図を公表した。この復元図は想像によるものではなく、李克用の頭蓋骨および遺伝子データに基づいて作成されたという。新華社が伝えた。

 研究チームによる古代ゲノム解析の結果、李克用は黒色または濃い茶色の髪を持ち、比較的明るい肌色であったと推定された。顔立ちについても、骨格や筋付着部などの分析結果を反映したものとなっている。

 李克用の実像が長年明確でなかった背景には、墓が繰り返し盗掘され、墓室内に3体の遺骨が確認されていたことがある。2023年から、復旦大学や山西省代県博物館などの研究者が、李克用墓から出土した3体の人骨に対して古代ゲノム解析を実施した。

 その結果、3体のうち1体は40〜50歳の男性で、放射性炭素年代測定により西暦680年から877年に相当することが判明し、李克用の生没年代とおおむね一致した。残る2体は、それぞれ22〜24歳と18〜20歳の若年個体で、年代は宋・金代(10世紀〜13世紀)に属することから、後世の墓荒らしによる侵入個体である可能性が高いとされた。これらの研究成果は、学術誌「Journal of Genetics and Genomics」に掲載された。

 遺伝子解析によると、李克用の父系遺伝型はR1a-Z93系統に属し、ユーラシア草原地帯の遊牧民の間で多く見られる系統とされる。一方、母系のハプロタイプはC4a1a+195で、古代の北方遊牧民および漢民族集団との関連が示された。

 復旦大学文化財・博物館学部の文少卿副教授は、「李克用の遺伝構成は東アジア系と西部草原系の要素が混在しており、祖先成分の約53.4%が古代北東アジア、46.6%が西部草原に由来する」と説明する。その上で、こうした分析結果は、唐末五代期における民族交流の実態を理解するための一資料となるとしている。

 また、遺伝子検査の結果、李克用はアルコール代謝に関して、アセトアルデヒドが体内に蓄積しやすい型に属することも判明した。

(画像提供:人民網)

 
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