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中国、量子計算プロトタイプ機「九章4号」を開発 計算性能が大幅向上

2026年05月19日

 中国科学技術大学の潘建偉氏、陸朝陽氏、張強氏、劉乃楽氏らによる研究チームが、量子計算プロトタイプ機「九章4号」の開発に成功した。同大学が13日に明らかにした。新華社が伝えた。

 研究は済南量子技術研究院、山西大学、清華大学、上海人工知能実験室、嶗山実験室、国家並列計算機工程技術研究センターなどと共同で行われた。

「九章4号」は、1024個の圧縮状態入力と8176モードを備えたプログラム可能な量子計算機のプロトタイプ機で、最大3050個の光子の量子状態を操作・検出できるとしている。従来モデルの「九章3号」(最大255光子)を大幅に上回る規模となる。

 研究成果は国際学術誌「Nature(ネイチャー)」に掲載された。

 量子コンピューターは量子力学の原理に基づいて計算や情報処理を行う装置で、従来型コンピューターに比べて高い並列処理能力を持つとされる。主な技術方式には超伝導、イオン捕捉、光量子、中性原子などがある。

「九章」シリーズは光子を用いて量子ビットを符号化する光量子方式で、光子の状態を制御・測定することで計算を実現する。2020年の初号機開発以降、「九章2号」「九章3号」と改良を重ね、これまでに複数回にわたり世界記録を更新してきた。

 光量子計算では回路の大規模化に伴い光子の損失が課題となる。中国科学技術大学の陸朝陽教授は、「研究チームが高効率の光パラメトリック発振器による光源と、時空間を組み合わせた符号化干渉計を開発した」と説明。「1024個の圧縮状態光を8176モードの回路に集積し、接続性を大幅に高めることで、3050個の光子の操作と検出を可能にした」と述べた。

 これにより従来モデルを大きく上回る規模での量子計算が可能となり、計算能力の向上につながったとしている。

「九章4号」はガウス・ボソン・サンプリングと呼ばれる計算課題において、1サンプルの生成に約25マイクロ秒を要するとされる。一方、従来のスーパーコンピューターでは同様の計算に極めて長い時間が必要とされ、計算速度に大きな差があるとしている。

 研究チームは、この成果について、低損失の光量子処理技術における規模と複雑性の向上を示すものであり、大規模な量子計算や将来の誤り耐性量子計算の実現に向けた基盤となる可能性があるとしている。

(画像提供:人民網)

 
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