中国上海市金山区で、人とロボットが連携して患者の自宅で診療を行うサービスが導入された。復旦大学附属金山医院の医療チームとAIロボットが共同で訪問し、診療を行う取り組みで、中国初の事例とされる。文匯報が伝えた。
対象となったのは、金山区呂巷鎮に住む糖尿病患者で、ガーゼ交換などの処置を自宅で受けた。訪問したのは同病院の看護師2人と、等身大のエンボディドAIロボット「金小医」。ロボットは約3キログラムの医療バッグを背負って同行した。
患者の家に到着後、ロボットは看護師の指示に従って室内の消毒を行い、高解像度カメラで患者の足の傷を撮影。画像は病院の遠隔診療プラットフォームに送信され、医師が確認できる仕組みになっている。
看護師はAIグラスを装着し、5GとAR(拡張現実)を組み合わせた遠隔技術を活用。病院側の専門医の指示を受けながら血管超音波検査を実施し、創傷の状態を評価した。
患者は「自宅で対応してもらえて便利だ」と話した。看護師も「消毒や健康指導、物資整理といった作業をロボットが補助することで、患者とのコミュニケーションや治療に集中できる」としている。
中国では高齢化の進行と慢性疾患患者の増加が課題となっており、頻繁な通院が必要だが移動が難しい患者は少なくない。こうした背景を踏まえ、金山医院は上海虹橋銀髪経済研究院や上海(復旦大学)協同発展研究センターと連携し、訪問診療にロボットを組み合わせたサービスモデルを構築した。
復旦大学上海医学院の医療管理部門の責任者は、AIと臨床の連携を強化し、人とロボットの協働を前提とした訓練を進めることで、ロボットを日常的な健康管理を支援する存在として位置付けていく考えを示した。