2026年05月25日-05月29日
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太陽系外から飛来した天体、ダストを毎秒約1トン放出 中国の「天問1号」が撮影

2026年05月27日

 中国の火星探査機「天問1号」が、太陽系外から飛来した恒星間天体「3I/ATLAS」を火星周回軌道から鮮明に撮影し、ダストの放出活動に関するデータを取得した。中国科学院国家天文台が20日、明らかにした。研究成果は国際学術誌『The Astrophysical Journal Letters』に掲載された。科技日報が伝えた。

 3I/ATLASは、天文学者によって確認された3例目の恒星間天体で、2025年7月に発見された。軌道の分析から、数十億年前に形成され、太陽系外の遠方から飛来した天体とみられている。2025年9月末から10月初めにかけて火星に接近したため、火星周回軌道で運用中の天問1号による観測が可能になった。

 中国科学院国家天文台などの研究チームは、天問1号に搭載された高解像度カメラを使い、2025年9月30日から10月3日にかけて3I/ATLASを3回撮影した。画像からは、同天体のダストテイル(ちりの尾)の形状が、扇状から湾曲した細い尾へと変化する様子が確認された。

 研究チームの分析によると、3I/ATLASから放出されたダストは、主に数百マイクロメートルの比較的大きな粒子で構成されていた。太陽系内で一般的に見られる彗星のちりがマイクロメートル級であるのに比べ、粒子が大きいという。また、ダストの放出速度は毎秒約3~10メートルだった。

 観測する角度の変化に伴い、3I/ATLASの外観は変化したものの、明るさはほぼ安定していた。観測データに基づく推計では、同天体が放出するダストの量は平均で毎秒約1トンに上る。

 論文の筆頭著者で、中国科学院国家天文台研究員の任鑫氏は、2例目に確認された恒星間天体との比較から、「放出活動を駆動する主なガスは水の氷に由来する可能性が高く、天体そのものの大きさが、質量を失う速度を直接左右していると推測している」と説明した。

 3I/ATLASを巡っては、これまで複数のジェット状の噴出構造が確認されたとする研究もあった。しかし、天問1号が異なる角度から撮影した画像では、こうした構造は確認されなかった。研究チームは、従来の見解について、さらに検証が必要だとしている。

 任氏は、今回の観測について、天問1号の任務を拡張した活用例だと説明した。火星周回機が安定して運用され、良好な状態にあることを示すとともに、深宇宙探査機が突発的に観測機会の生じた対象を柔軟に観測できることを確認したとしている。今後の深宇宙探査ミッションに向けた運用経験の蓄積にもつながるという。

(画像提供:人民網)

 
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