中国・浙江省の工場で、人型ロボットに「仕事」を教える新たな職種が生まれている。ロボットに物をつかむ、運ぶ、部材を取り出すといった動作を何度も実演し、AIの学習に必要なデータを集める「ロボット開発応用エンジニア」だ。中央テレビニュースが伝えた。
工場では、敏実集団敏智機器人研究開発部マネージャーの魏興峰氏が、実習生とともに人型ロボットに部材の取り出し作業を教えている。アルミ材を左側から持ち上げ、向きを変えて右側の箱に入れる。一連の動作を100回以上繰り返す。
魏氏によると、人型ロボットの応用には現在、従来型の軌道プログラミングと、AIを使った訓練という二つの方法がある。
AIによる訓練では、遠隔操作で同じ動作を何度も行ってデータを収集し、AIモデルに学習させる。魏氏はこれを「問題集を繰り返し解く」ような作業だと説明する。同じ動作を700回訓練し、10時間分の有効なデータを蓄積することで、ロボットが徐々に自ら推論して動けるようになるという。
遠隔操作による一連の動作は、人間なら10数秒で終わる。このうち訓練に使える8秒間を切り出し、それを30回繰り返すことで、有効なデータを収集する。
魏氏がロボット開発応用エンジニアに転向したのは昨年。それ以前は長年、従来型の産業用ロボットアームに携わっていた。人型ロボット産業の将来性を見込み、この分野への転向を決めたという。
魏氏は、人型ロボットの「頭脳」に当たる技術はまだ完全には成熟していないと指摘する。現在は技術開発の最前線で、新しい技術に触れる機会が多いと述べた。
従来型の産業用ロボットアームを手掛けていた頃と比べ、魏氏の収入は増えた。それ以上に大きな変化として挙げるのが、仕事を通じた技術力の向上だ。現在はチームを率い、人型ロボットの開発・応用に取り組んでいる。