2025年度LOTUS プログラムに迫る パート1: ネハ・ミシュラ氏(NIMS)

科学技術振興機構(JST)のさくらサイエンスプログラムが支援するLOTUSプログラムは、日印両国の研究機関間の協力を促進し、ネットワークを構築することで、日印共同研究の強化を目的としている。この「LOTUSプログラムに迫る」という記事では、インド工科大学ハイデラバード校 (IITハイデラバード校)の博士課程学生であるネハ・ミシュラ (Neha Mishra) 氏にインタビューを行った。ミシュラ氏は、本プログラムへの参加の一環として、国立研究開発法人物質・材料研究機構(NIMS)で研究を行っている。

ネハ・ミシュラ氏。LOTUSプログラムの被招へい者であり、IITハイデラバード校の博士課程学生である。

Q1. 経歴について教えてください。

A1. 植物学への愛が化学への探求へと発展しました。

私はインドのIITハイデラバード校の博士課程の4年生です。学士号や修士号など、今までの教育はすべてインドで修了しました。実は、学生時代は理系を選びました。特に植物学に興味があり、生物に関することを学ぶことが大好きでしたが、目標は医学分野で医師になることに代わりました。インドでは、何十万人もの人が受験する入学試験に合格しなければなりませんが、残念ながら私は合格できませんでした。

その後、理学士課程に進みました。当初はどの分野に進むか決めていなかったので、将来の選択肢が広がる一般理学士課程で、植物学と化学という2つの分野に重点を置いて卒業しました。科学に対する興味がさらに深まったのはこの課程でのことでした。その後、修士課程に進みました。現在は博士課程で、主に水素発生反応(HER)に焦点を当てた電気触媒と光電気化学を利用する水の分解に関する高エントロピー材料(HEM)の研究を行っています。

担当教授がLOTUSプログラムについて教えてくれました。私は応募のために提案書を作成する必要がありました。このプロジェクトの中で私が協力できると思われる分野を提案したところ、その内容に基づいて選定されました。

ミシュラ氏が研究で使用している機器の一つ。シリコンウェハー基板上に金属バックコンタクトを形成するために使用される。

Q2. LOTUSプログラムではどのような研究に取り組んでいますか?

A2. 光電気触媒応用とシリコン基板への高エントロピー材料コーティングです。

LOTUSプログラムの一環として、私は博士課程の研究の一部をこちらに持ち込み、高エントロピー材料の研究と光電気触媒応用の検証に取り組んでいます。私の指導教官である深田教授は半導体を専門としているため、様々なシリコン基板上に高エントロピー材料を成膜する研究を行ってきました。こちらに来る前は炭素基板を用いていましたが、こちらに来てからはシリコンウェハーなどの半導体基板上に高エントロピー材料を成膜し、様々な種類のウェハーで実験を行っています。当初は一般的なウェハーを対象としていましたが、その後ナノ構造シリコンウェハーを使うようになり、高エントロピー材料をコーティングしました。さらに、水素を発生させる水の分解用光カソード材料として、いくつかの候補物質を検討しました。

日本滞在中、インターンシップに参加する機会にも恵まれました。また、座禅など、日本の文化の様々な側面に触れることができました。これは非常に良い経験でした。

Q3. インドと日本の違いに関する経験について、もう少し詳しく教えてください。

A3. インドは競争が激しく、日本は設備が充実しています。

実際のところ、大きな違いはあまりありません。しかし、多少の違いはあります。例えばインドでは博士号取得に5年かかりますが、日本ではほとんどの人が3年で取得すると聞いています。仕事のスタイルにも若干の違いはありますが、些細な違いです。当然ながら、言語について困ったことがいくつかありました。それ以外にも、研究室の利用時間など、インドでの研究と異なる制約がいくつかありました。

インドには、研究に有利な点が多くあります。博士課程の学生は多岐にわたる授業を履修し、博士課程の研究テーマに役立つ科目を選択します。その後、機器を使った実習を開始し、実践的な研究に必要な知識を習得していきます。私が所属する研究所と学部の大きな利点は、様々な種類の高感度機器を利用できることです。これらの機器の操作方法についても研修を受けますし、アクセスは容易です。

また、IITハイデラバード校は第二世代のインド工科大学です。つまり、2008年以降に設立された新しい大学なのです。研究面では、考えられるあらゆる設備を整備しようと努めており、最近では「SATHI」と呼ばれる新しい研究センターを開設しました。そこには、高度な特性評価機器や高感度機器が導入されているため、集約的な研究を行うことができます。

インドで学術的なキャリアを追求し研究者となるならば、試験に合格する必要があります。IITに進学し、博士課程に進むには、GATEと呼ばれる全国統一入学試験など、いくつかの試験に合格する必要があります。その後は競争と挑戦が再び始まります。IITに入学したときから挑戦が始まるのです。その後も、研究は常に挑戦の連続です。

ミシュラ氏が研究を行っているMANA。

Q4. 将来のLOTUS奨学生へのメッセージをお願いします。

A4. このプログラムをぜひお勧めします。そして指導教官に心から感謝します。

日本でのJST LOTUSプログラムを修了後、もう1つ学会に出席し、その後帰国します。当面の予定としては、できるだけ早く学位を取得し、論文を完成させることです。その後は、産業界と学術界の両方に関わりたいと考えています。そのため、可能な限り多くの国々で応募するつもりですが、もちろん、日本もその中に入っています!

私と同じような状況にある方には、このプログラムをぜひお勧めします!私がプログラムを勧めていること、そしてこの研究環境には私が目の当たりにした長所があることから、インドの研究所と次期参加者との連携を既に進めています。皆、日本に来て、ここでの研究を体験するべきです。

最後に、指導教官の皆様にはいつも支えていただき、日本ではインドとは全く異なる素晴らしい体験をしました。本当にありがとうございました!

ネハ・ミシュラ(Neha Mishra):

IITハイデラバード校博士課程4年生 インド

博士課程で「主に水素発生反応に焦点を当てた電気触媒と光電気化学を利用する水の分解に関する高エントロピー材料」について研究している。

2025年度LOTUS被招へい者


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