インド政府は、予算案ポータルサイトに科学技術政策の主要部局である科学技術庁(Department of Science and Technology(DST))の2021年予算を掲載した。インド政府の会計年度は、日本と同じ4月 - 3月制である。
予算総額は約607億ルピー(約909億円)であり、前年度の修正予算の約500億ルピーから20%程度増加した。
主な事項と前年度の修正予算からの増減は以下のとおりである。
- 調査部門は、主にインド測量局によって行われる地図、図表、報告書の作成等のために、19%増の54億ルピー。
- 科学技術制度・人的能力開発部門は、研究開発支援、州レベルの科学技術プログラム、政策研究、女性科学者支援プログラム等のために20%増の110億ルピー。
- 研究開発部門は、国際協力、ナノサイエンス・ナノテクノロジー、基礎研究のための大規模施設、気候変動プログラム、スーパーコンピューター施設、技術融合・応用研究等のために、47%増の59億ルピー。
- イノベーション・テクノロジーの開発・展開部門は、技術開発プログラム、社会経済発展のための科学技術プログラム、各種展示会、医薬品研究センター等のために、46%増の95億ルピー。
- 学際的なサイバーフィジカルシステムに関する国家ミッション部門は、システム:サイバネティックス、メカトロニクス、設計・組み込みシステム、IoT、ビッグデータ、AIなどの技術分野が含まれ、農業、水、エネルギー、輸送、インフラストラクチャ、セキュリティ、健康、製造などの多様なセクターでのイノベーションを推進するために、前年並みの27億ルピー。
- 科学技術研究委員会部門は、科学技術庁の下の科学技術研究委員会(SERB)が科学技術の新興分野における基礎研究を支援するために、21%増の90億ルピー。
- 自治団体への支援:科学技術省の下にある専門機関等の支援のために8%増の149億ルピー。
なお、科学技術省(Ministry of Science and Technology)は、以下の3つの組織から構成されており、各組織の2021年予算は合計で約1,479億ルピーとなる。
・科学技術庁(Department of Science and Technology):606億ルピー
・バイオテクノロジー庁(Department of Biotechnology):350億ルピー
・科学産業研究庁(Department of Scientific and Industrial Research):522億ルピー
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部