インド科学技術庁(DST)は3月26日、INSPIRE Awards-MANAK事業の全国レベル最終選考会を年4月23~27日にオンラインで開催すると発表した。
「Innovation in Science Pursuit for Inspired Research」(INSPIRE)スキームは、インドDSTが若手理系人材の発掘・育成のため、毎年実施している主力プログラムだ。その中のINSPIRE Awards-MANAK(Million Minds Augmenting National Aspirations and Knowledge)では、全国の初等中等学校の6-10年生(10-15歳)の学習意欲を高めることを目指している。科学の社会への応用に根ざした100万件の独創的なアイデア・イノベーションを対象として、生徒たちの創造性と革新的な思考の文化を育むことを目的としている。
同事業は2020年度、全国の学校で校内コンテストが開催され、2020年9月30日の締め切りで、各校から2-3つの優秀なアイデアが推薦された。地区レベルの選考で10万件に絞り込まれ、選考に残った生徒には、研究費として1万ルピー(約1.5万円)が支給された。さらに、州レベルの選考を経て、上位約1千件のアイデア(応募者)が選ばれた。今回の全国レベルの最終選考会では、上位60件のアイデアに絞り込まれ、科技大臣や長官らから直接表彰される。
アイデア・イノベーションの選考では、新規性、応用可能性、環境への配慮、使いやすさ、および既存の同様のテクノロジーとの比較優位が審査のポイントとなる。このスキームは、インド全国からトップレベルの可能性を秘めた理系人材を発掘するもので、インドにとって非常に重要な意味を持つ事業とされる。
一方、日本の科学技術振興機構(JST)では、2015年度にインドDSTと連携し、過去2年度のINSPIRE Awards-MANAK最終選考で、上位60人に選ばれた生徒合計120人の中から15歳以上の生徒60人を選抜してもらい、「さくらサイエンス・ハイスクールプログラム」(SSHP)として日本に招へいしてきた。招へいされた優秀なインド人高校生たちは、日本の大学や研究所に加えて高校も訪問し、日本人高校生とも交流することで、日本の高校生にも大きな刺激となっているという。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部