インドの保健家族福祉省の発表(3月23日付)によれば、COVID-19ワクチン管理に関する専門家グループは、同ワクチンの輸出を綿密に監視している。インド製ワクチンの国外への輸出は2021年1月20日から始まり、無償供与、製造業者による商業輸出、COVAXの枠組みを通じて70か国以上に行われている。
パンデミックの状況では地球全体で対応する必要があり、国ごとに固有のアプローチを取ることはできない。従ってワクチン接種への世界的な行動を促進するCOVID-19ワクチンの輸出は、世界の全ての国の高リスクのグループを保護し、感染の連鎖を断ち切り、インドの近隣諸国をはじめとした外国からのCOVID-19症例の輸入の機会を最小限に抑えるために重要である。
低・中所得国や製薬技術へのアクセスが制限されている国は、パンデミックに対処するうえで不利益を被っている。そのためインド政府は国内のニーズを最優先しつつ、限定した量のワクチンの輸出を行っている。下の図によれば、インドは3月17日の時点で74か国に5千959万回分のワクチンを輸出している。
No. | 国名 | 無償供与 | 商業輸出 | COVAX | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
1 | バングラデシュ | 20 | 70 | 90 | |
2 | モロッコ | 70 | |||
3 | イギリス | 50 | 50 | ||
4 | ブラジル | 40 | 40 | ||
5 | ナイジェリア | 39.24 | 39.24 | ||
6 | ミャンマー | 17 | 20 | 37 | |
7 | サウジアラビア | 30 | 30 | ||
8 | ネパール | 10 | 10 | 3.48 | 23.48 |
9 | エチオピア | 21.84 | 21.84 | ||
10 | コンゴ民主共和国 | 0.5 | 17.16 | 17.66 | |
11 | スリランカ | 5 | 5 | 2.64 | 12.64 |
12 | ケニア | 1 | 10.2 | 11.2 | |
13 | 南アフリカ | 10 | 10 | ||
14 | アフガニスタン | 5 | 4.68 | 9.68 | |
15 | ウガンダ | 1 | 8.64 | 9.64 | |
74か国合計 | 81.25 | 339.67 | 174.99 | 595.91 |
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部