2021年05月
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数学的モデルで「インダストリー4.0」実装を インド工科大デリー校が考案

インド工科大学デリー校によると、同校経営学部のスーリヤ・プラカシュ・シン(Surya Prakash Singh)教授らの研究グループはこのほど、インドの経済的な自立を目指し、「インダストリー4.0」を推進する数学的モデルを考案し、国際的な学術誌Journal of Cleaner Productionに発表した。

日本を含めた先進諸国の製造産業では、センサー等を通じて、製造機械の稼働状況や機械の設置場所の温度など製造に係るあらゆるデータを収集し、生産手順や人員配置をコンピュータ上でシミュレートする。これによって、人的資源や経費の効率化を図りながら、生産量を最大化し環境負荷を低減することを目指している。人、機械、資源、生産環境などの情報がインターネットなどでつながることで生産の最適化を図る考え方を「インダストリー4.0」といい、蒸気機関、石油と電気、ITに続く、第4次産業革命と位置付けられる。

インドではインダストリー4.0の導入が他国に比べて立ち遅れており、生産コストおよび消費エネルギーが高止まりしている。シン教授らのモデルは、混合整数線形計画法と呼ばれるアルゴリズムを使い、インダストリー4.0環境でのエネルギー消費と生産コストの最適なバランスを示すものだ。機械の設置からセットアップ、メンテナンス、エネルギー消費など、生産に関するさまざまなコストが考慮されており、産業界の要請に合わせて要素を増やすことも可能だ。

シン教授らによれば、本モデルは低コストかつ持続可能なビジネスを目指す事業者に向けて、インダストリー4.0環境の戦略的な実装をシミュレートし得るとのことであり、インド産業界のインダストリー4.0化に寄与するものと期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部