IBMは5月26日、量子技術分野での人材育成を促進する目的で、インドの主要大学や研究組織に同社量子システムへのクラウドアクセスを提供すると発表した。
IBMがクラウドアクセスを許可するのは、インド科学教育大学(IISER)、インド理科大学院(IISc)、インド工科大学(IIT)、インド統計大学(ISI)、インド情報技術大学(IIIT)、タタ基礎研究所(TIFR)、およびコルカタ大学。
これらの施設では、IBMの量子システム、量子ラーニングリソース、量子ツールにIBMクラウドを介してアクセスし、Qiskit(量子コンピューティング用オープンソースフレームワーク)を使用して、量子コンピューターでの作業、プログラミングを体験できるようになる。この提携は、量子分野での教育者間の連携と、質の高い学習経験をサポートするIBMの量子教育(IBM Quantum Educators)プログラムの一環。
現在、企業の44%が、今後3~5年間に量子技術がビジネスに多大な影響を与えると予測している(ガートナー社調査)。また、雇用データを分析するバーニンググラス・テクノロジー(BurningGlass Technologies)社は、量子関連スキルの需要が今後5年間に135%増加すると予想する。このような背景を受け、インドIBM基礎研究所のディレクター、ガージ・ダスグプタ(Gargi Dasgupta)氏は、「IBMが提供するクラウドアクセスにより、インドの優秀な学生たちが、技術的な激動期に対応できる教育を受けられることになります」と期待する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部