2021年07月
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衝突と居眠り運転にAIが警告 インド・カルナータカ州で警報システム導入へ

インドでは、歩行者とドライバーの安全性改善のため、人工知能(AI)を活用した衝突警報システムとドライバーの居眠り防止システムを導入する。カルナータカ州道路交通公社(KSRTC)が導入するもので、AIの技術を用いて交通事故を制限しバス乗客の安全を改善する計画をしている。

計画では、AIパワード衝突警報システム(CWS)と居眠り運転防止システム(DDS)を1044台のバスに搭載する。CWSは前方衝突警報(FLCW)・車線逸脱防止システム(LDW)・バーチャルバンパーといった機能を備え、またリアルタイム警報を発する。

FLCWシステムは差し迫った衝突を認識し、ドライバーが危険距離ゾーンに入ったことを知らせる。これはドライバーが衝突を避けるために必要な行動を取るための手助けとなる。リアルタイム警報を発し、ドライバーに差し迫った衝突を警告する。AIベース・カメラセンサーはいかなるスピードでも、少なくとも150メートルまでの範囲まで探知を行い、ドライバーに警告を発することが可能であるという。

最小安全距離が維持されなくなると警報が発せられる。最小安全距離は、スクーター・人力車・歩行者・自転車を含む前方車両との衝突までの時間(TTC)の計算に基づいている。警報はTTC2.5秒から3秒に発せられ、少なくとも車両時速120キロの範囲まで作動し、視覚と聴覚に訴える。

DDSはドライバーが運転中に居眠りをすることを阻止する。ドライバーの目の動きを監視し、眠そうな様子のときに音による警報を発する。AIベースの閉鎖回路テレビCCTVがドライバーの表情動作を監視し続ける。ドライバーが無視したときにはKSRTC中央管理室にも警報を送る。これは夜間業務に役に立つことが期待される。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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