2021年07月
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オプティクス・フォトニクス分野の研究で新センター設立 インド工科大学デリー校

インド工科大学 (IIT) デリー校は5月24日、オプティクスとフォトニクスにおける教育、研究、開発、イノベーションをより高いレベルに引き上げるために「オプティクス・フォトニクスセンター」を新設すると発表した。

オプティクスとフォトニクスは、光の基本的な特性を研究し、それを実用的な用途に活用する分野である。例えば、光イメージング、光計測、レーザー、光通信、視覚光学、リモートセンシング、ホログラフィー、光画像処理、光エレクトロニクス、光データストレージ、光コンピューティング、顕微鏡、バイオ・メディカル光学、ナノフォトニクス、超高速光学、フォトニック量子技術などがある。

オプティクス・フォトニクスセンターは、国防研究開発機構 (DRDO)、科学産業研究会議 (CSIR)、原子力省 (DAE)、インド医療評議会 (ICMR) などの機関や産業界と連携し、重要な分野の研究開発を行う。

「オプティクス・フォトニクス技術の普及とその利用が進んでいることから、スタートアップの設立を含め、このような共同研究の機会は数多くあるでしょう。また、このセンターは、近い将来、次世代コンピューティングや安全な通信などを狙った量子技術の開発においても、極めて重要な役割を果たすことになるでしょう。産業界との持続的な連携も開発・確立していきます」

オプティクス・フォトニクスセンターのコーディネーターであるジョビー・ジョセフ (Joby Joseph) 教授はこのように語る。

教育面では、産業界の専門家を対象とした特別プログラムを含む、博士課程および大学院のプログラムに重点を置く。また、学生の起業活動を奨励・支援し、投資家と結びつけることも行う。

IITデリー校は、インド国内だけでなく海外でも、オプティクス・フォトニクスにおける実績で知られている。物理学教室、電気工学教室、センサー・計測・サイバー物理システム工学センターなどの多くの教員が、オプティクス・フォトニクスの研究開発に従事している。これまでに、物理学科の4人の教員が、この分野での業績を認められ、栄誉あるシャンティ・スワラップ・バトナガル賞を受賞している。

オプティクス・フォトニクスの重要性から、国連は2015年を「光と光ベースの技術の国際年」と宣言し、2018年からは5月16日を「光の国際デー」に制定している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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