インド連邦政府のジテンドラ・シン（Jitendra Singh）科学技術・地球科学相は7月30日の下院（Lok Sabha）への答弁書の中で、国内で記録された地震の記録を考慮すると、インド全州を含む陸地の合計59%が様々な強度の地震に見舞われる可能性があることを明らかにした。

インドの地震帯は、地震が最も活発な地域のゾーンVから、地震が最も少ない地域のゾーンIIまで4つに分類されており、発表によると、国土の約11％がゾーンV、18％がゾーンIV、30％がゾーンIII、残りがゾーンIIとなっており、59%がゾーンIII/IV/Vに含まれた。

地球科学省所管の国立地震学センター（NCS）は、インド政府が国内および周辺地域の地震を監視するための中心的な機関であり、全国各地に115の観測所からなる国家地震学ネットワーク（NSN）を持っており、NCSからの地震情報は、遅滞なく中央および州の関係災害当局に伝達される。

インド政府は次に、人口5００万人以上のインドの都市を対象とした地震マイクロゾーニングも検討している。その目的は、地震リスクに強い建物や構造物を建設して、地震の揺れの影響を軽減・緩和し、構造物の損傷や人命の損失を最小限に抑え、より安全な都市計画を行うための情報を得ることである。

さらに、インド国家防災庁（NDMA）は、地震被害の予防・対策のプログラムを周知するために、毎年、紙媒体、電子媒体、ソーシャル・メディアを通じて定期的な啓発キャンペーンを実施している。

また、インド政府は、同国の基準局（Bureau of Indian Standards : BIS)、建材・技術推進協議会(Building Materials & Technology Promotion Council: BMTPC)、住宅・都市整備公団（Housing and Urban Development Corporation: HUDCO)などが策定した、地震の被害・損失を最小限に抑えるための耐震構造の設計・建設に関するガイドラインを適用する体制を整えた。これらのガイドラインは、一般市民や関係する行政機関の間では広く普及しているものである。

BISによる国内（州単位）の地震区分図（下図参照）では、過去50年間で表面最大加速度（PGA）が10%超過するPGA（0.16gから＞0.36g）の変動幅を持ついくつかの地震ゾーン（ゾーンIIからゾーンV）に分類されている。この地図によると、西ベンガル州はゾーンIV、III、II（大部分はゾーンIII）にあり、また、ウッタル・プレデシュ州はゾーンIV、III、IIに属していることが分かる。

国内（州単位）の地震区分図）

西ベンガル州を含む国全体の地震帯は、経験的な地震減衰法則に基づいて、調査対象地域の周辺に位置する最大の信頼性を持つ震源域に関して分類されている。さらに、過去に国の様々な地域で観測された地震の震度や地盤の動きと照合している。このデータは、インドの確率論的地震ハザードマップを作成するために、BISによって分析された。

インドの重要な都市・町のうち、IVおよびVの地震多発地帯に該当する都市・町の一覧（州・地方別）は次の通り。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部