2021年09月
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時空によるニュートリノ振動の誘発 インドの科学者ら発表

インドの科学者らは時空がニュートリノを振動させる可能性があることを示した。ニュートリノは太陽や星などの核反応で大量に生成される粒子であり、多くの実験で見られるようにそれらは振動し、さまざまな種類のニュートリノは互いに変化する。ニュートリノの振動とそれらの質量との関係の調査は宇宙の起源を研究する上で非常に重要である。

ニュートリノは他のすべてのものと相互作用する。それらは誰にも気付かれることなく毎秒単位ですべての人間を通過している。数年前までニュートリノには質量がないと信じられていたが、現在ではニュートリノ振動の現象はニュートリノが小さな質量を持つことを必要とするとされている。

インド政府の科学技術庁(DST)の下に属する機関であるSNボーズ国立基礎科学センター(S N Bose National Centre for Basic Sciences :SNBNCBS)のアミタブ・ラヒリ(Amitabha Lahiri)教授は、彼の学生であるスバシシュ・チャクラボルティ(Subhasish Chakrabarty)氏と共同で、時空のニュートリノが質量を持たない場合でも時間は量子効果によってニュートリノ振動を引き起こす可能性があると発表した。論文は科学誌European Physical Journal Cに掲載された。

アインシュタインの一般相対性理論は、重力は時空の曲率の現れであるとしている。SNBNCBSの研究チームによると、ニュートリノ、電子、陽子、その他の粒子は、重力の存在下で移動するときに特定の特異性を示し、時空は粒子ごとに重力に加えて量子力を誘導する。この力は粒子のスピンに依存する可能性があり、ニュートリノが太陽のコロナや地球の大気などの物質を通過するときに、質量のないニュートリノが大きくなる原因となる。ニュートリノの相互作用についても同様のことが起こり、幾何学的に誘導された質量とともにニュートリノの振動を引き起こす。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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