インドの月面探査機「チャンドラヤーン2号(Chandrayaan-2)」が、月で水の存在を検出しことが明らかになった。8月10日、科学誌 Current Science に論文が掲載された。
それによると、チャンドラヤーン2号に搭載されたイメージング赤外線分光計(IIRS)は、0.8〜5.0μmのスペクトル範囲で月面の反射および放出された太陽放射を測定可能で、その空間分解能(〜80 m)と拡張されたスペクトル範囲において、OH(水酸基群)と水(H2O)の存在に起因する月の水和 (2.8〜3.5μm領域)の特定に適している。
月の3μm吸収特性を明確に検出、定量化するために分析されたIIRS反射率データからの初期結果は、データの前処理とデータ削減の後、IIRS反射スペクトルの物理ベースの熱補正分析を、同じ場所に設定された温度測定結果を使用して得られた。その結果、月面に広範な水和とOHとH2Oの特徴の明確な存在を明らかにした。また、水和吸収が調査地域の全ての緯度および表面タイプで観察され、その吸収深度は、表面の鉱物、温度、緯度に関連して明確な違い(変化)を示しているとしている。
月の南極に軟着陸を目指したチャンドラヤーン2号は、2019年7月22日に打ち上げられたが、着陸機ヴィクラムが同年9月、月面に激突し軟着陸に失敗した。一方、ミッションの月周回機オービターは正常に機能しており、データを送信した。
チャンドラヤーン2号の月周回機オービター
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部