2021年11月
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IITマドラス校、英T&Fグループと提携・研究拡充

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、同大学のロバート・ボッシュ・データサイエンス&AI研究センター(Robert Bosch Centre for Data Science and Artificial Intelligence:RBCDSAI)と、英学術出版社テイラー&フランシス((Taylor & Francis:T&F)グループが出版パートナーシップを締結したと発表した。9月23日付。

RBCDSAIは、インドにおけるデータサイエンスと人工知能(AI)の卓越した学際的研究センターの一つであり、最大規模のネットワーク分析、深層強化学習および、活発な自然言語処理と深層学習のグループを擁している。また、エンジニアリング、金融、ヘルスケアの領域での応用に向けて、データサイエンスを活用して、実用的で信頼性が高くインパクトのある意思決定を行うための洞察(insight)の提供を目的としており、10の学部を持ち28名の教員が在籍している。

T&Fは、世界中の研究者、学術団体、大学、図書館と提携して、知識に命を吹き込み、人文科学、社会科学、行動科学、科学、技術、医学のすべての分野にわたる学術的コンテンツを提供する世界有数の出版社。また、人工知能と機械学習の分野において、基礎的・理論的な概念から高度な応用まで、幅広い分野の優れたタイトルを提供しており、この分野のコレクションでは、AIと機械学習における安全性、セキュリティ、倫理的な問題、さらには深層学習、自律走行車、自律ネットワーク、ロボット工学などの最先端のトピックを探求している。

関係者のコメントは以下の通り。

RBCDSAI責任者のバララマン・ラビンドラン(Balaraman Ravindran)教授

「現在のパンデミックは、研究をより効率的に共有するために、学術出版業界におけるオープン性とコラボレーションの重要性を浮き彫りにした。今回の提携により、RBCDSAIの研究がより広く知られるだけでなく、出版に関するサポートサービスや著者への指導も受けられるようになる。また、センターの研究者は、知識豊富なT&Fのチームから、出版プロセスやオープン・プラクティス、研究促進に関して、手厚いサポートを継続的に利用可能となる」

CRCプレス(T&Fの一部門)のシニアパブリッシャー(工学)であるガガンディープ・シン(Gagandeep Singh)博士

「我々は、RBCDSAIとのコラボレーションに興奮している。このパートナーシップにより、学会や協会のパートナーに、著者や会員に役立つ情報やアドバイス、限定的な特典を提供することが可能となる。スタンフォード大学人工指数レポート2021によると、インドは『相対的なAIスキルの普及率が世界で最も高い』国であり、AI雇用の成長率では世界でトップ5にランクインしている。T&Fにとっては、インドがグローバルリーダーになるための支援を行っている組織と提携できる素晴らしい機会となる。この研究所からの共同ブランドによる有機的な委託プログラムで、学術出版におけるアイデア、関心事、ベストプラクティスの交換が行われ、相互に利益をもたらすと期待している」

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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