インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、技術コンサルティングとデジタルソリューションの企業Larsen & Toubro Infotech(LTI)と提携し、5G分野におけるイノベーションを目指した共同研究を行うことを1月27日に発表した。LTI社はインド・ムンバイに拠点を置く企業。
共同研究では、5Gフレームワーク の検証や低周波RF(30〜300kHz帯の無線周波数)の展開、そして5Gテストベッド による実用を模したユースケーステスト を可能にすることを目的としている。また、インドの地方農村部におけるネットワークへの接続性を向上させるために、低コストの基地局とネットワーク設計の研究も推進する。
このプロジェクトは、LTI社の1step CSRプログラムの一環でSDG9「産業、イノベーション、インフラ」を促進するというコミットメントを反映し、インド政府が掲げる「Make-in-India」イニシアチブにも合致したものとなっている。
LTI社の最高執行責任者(COO)兼執行役員であるナチケット・デシュパンド(Nachiket Deshpande)氏は「5Gはスマート社会を構築するためのイノベーションを促進する。その利益が国のあらゆる地域に届くようになることが重要だ」とこのプロジェクトの必要性を強調した。
また、本プロジェクトの主任研究員でIIT-Mの電気工学科助教授のラダ・クリシュナ・ガンティ(Radha Krishna Ganti)博士は「5G技術は計り知れない可能性を秘めており、インドのデジタル格差を解消するための最良の選択肢となるだろう。LTI社とIIT-Mのコラボレーションにより社会全体にポジティブなインパクトを与えることを目指している」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部