インドが人工知能(AI)分野で取り組む国際共同プロジェクトについて、同国のAI関連のポータルサイトINDIAaiが次のように紹介した。5月6日付発表。
- 1. ドイツとの共同プロジェクト。インドはドイツとヘルスケアや持続可能性に焦点をあてたAIイニシアティブを締結している。インド-ドイツ科学技術センター(IGSTC)が主導し、インドの科学技術省(DST)およびドイツ政府の連邦政府教育研究省(BMBF)と共に、両国の研究開発を進めている。
- 2. 米国との共同プロジェクト。科学・教育分野での関係の強化を主な目的として、両国はインド-米国科学・技術フォーラムに米国-インドAI (USIAI)イニシアティブを結んだ。最近では、両国の国防省、外務省などが、共同サイバートレーニングや演習を拡大するとともに、国防分野におけるAI利用に関するダイアログを開始することで同意した。
- 3. 米国、英国、欧州連合(EU)、オーストラリア、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、日本、メキシコ、ニュージーランド、韓国、およびシンガポールによるAIグローバル・パートナーシップ(GPAIまたはGee-Pay)との共同プロジェクト。GPAIは、人権、インクルージョン、ダイバーシティ、創造性、経済的繁栄といった民主的な視点に基づいて責任をもってAIが開発・利用されることを、各国が協力して管理していくプロジェクト。
インドは国を挙げてAIプログラムを推進し、国際的な共同プロジェクトを通して、国際社会が直面する問題の解決につながるAIソリューションの可能性を探っている。各国政府、およびAIの研究者や開発者が、国境を越えて規模の経済性を実現するとともに、それぞれの強みを生かして共存共栄するためには、こうした国際協力が不可欠である。
インドのIT事業者団体NASSCOMは「データおよびAIが持つ潜在価値を見出す:インドの好機 」と題したレポートを発表した。それによると、統合データを有効利用する戦略を講じることで、2025年までにインドの国内総生産(GDP)を5,000億ドル(約65兆円)増加させることができると予測した。インドは米スタンフォード大学の「AIの活発度」ランキングで6位に位置するAI大国で、急成長するAI、機械学習(ML)、データ分析業界は、今や約50万人の労働人口を創出した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部