インド工科大学マドラス校(IIT-M)は7月7日、様々な実用品の生産に使用されるゴム製品の生分解性代替材料の研究開発で、インドの大手企業であるJK フェナー(JK Fenner)社と提携していくことを発表した。
IIT-Mの学長であるマヘシュ・パンチャグラ(Mahesh Panchagnula)教授とJK フェナー社のナガラフ・スリラマ(Nagaraju Srirama)取締役社長がこの日、同大学のキャンパスで両者の提携に向けた了解覚書(MoU)に調印した。JK フェナー社はこの取り組みを通じ、企業の社会的責任(CSR)活動の一環として、綿や麻などの天然繊維を改良し、ベルトやホースなどのゴム製品の合成素材として使用できる素材の開発研究を支援する。
合成ゴムの多くは、骨格が炭素と炭素の結合で構成されているため、生分解されにくい構造になっており、完成品のゴム製品は長期間にわたって構造的な劣化がない。こうしたことから、今回の研究は極めて重要である。
パンチャグラ学長は「業界のリーダーであるJK フェナー社と、このインパクトのあるCSRの取り組みで提携できたことを誇りに思います。私たちは、CSR資金を技術開発に投資することが、より持続可能な明日の社会の確立に繋がると信じています」とこの提携の意義を強調した。
またスリラマ社長は「生分解性で環境に優しい次世代ゴムを開発するために、国内有数の研究機関であるIIT-Mと提携できることをうれしく思います。この研究は、ゴム産業に新たな方向性をもたらし、持続可能な未来に向けた当社の取り組みを促進するものです」と述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部