インド・テランガーナ州が人工知能(AI)を使った交通安全システムをバスに搭載する。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが7月13日に伝えた。
iRASTEと名付けられたこの安全システムは、インド情報技術大学ハイデラバード校(IIIT-H)の応用AI研究センター(INAI)が率いるコンソーシアムをはじめ、テランガーナ州政府およびテランガーナ州道路交通公社(TSRTC)が協力する共同プロジェクトだ。テクノロジーとエンジニアリングを活用してインテリジェントな交通安全機能を提供する。
iRASTEを搭載したバスではカメラが進行方向を監視し、AIとドライバー・アシスタンスシステムが警告を発して事故を防ぐ。TSRTCは、州バスにiRASTEを搭載して事故を防ぐことで、バス事故で負担する州の補償を削減できると期待する。TSRTCは州内の14台のバスでこの安全システムを試験済みであり、今後200台のバスに搭載する計画。
iRASTEのカメラは事故を防ぐだけでなく、路面で補修が必要な箇所の検知もできる。またバスによってはカメラがドライバー側を向いており、ドライバーが睡魔に襲われていないか、携帯電話を使用していないかといったこともチェックできる。この安全システムをバスに搭載することにより、将来的には公営のハイウェイを走るバスの数を増やすことを目指す。
テランガーナ州では、州都ハイデラバードにあるIIIT-Hがモバイルやヘルスケア分野でめざましい進展を見せている。同州のK. T. ラマ・ラオ (K. T. Rama Rao) 商工業IT相は「インドの先端技術分野で先頭を走る州です。現在の課題は、地元のコミュニティの変化に応じてテクノロジー・ソリューションを進化させていくことです」と強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部