2022年08月
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ソーシャルメディア上の教師・生徒・親の会話を分析―インドでパンデミックの影響調査

米国のブルッキングス研究所(Brookings Institution)のユニバーサル教育センター(CUE)は、インドを対象に、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によるパンデミック中の教育に関するソーシャルメディア上の会話を分析した研究の成果を発表した。

CUEは、パンデミックが子供の教育における家庭の役割にもたらした変化に関心を持ち、パンデミックのさまざまな段階におけるソーシャルメディア上の教師、生徒、親の会話を分析する研究を行っている。

CUEはこれまで分析を行った英国、ブラジル、米国に続き、今回はインドを選んだ。その理由として、

  • 世界最大規模の教育システムを持ち、パンデミック中のロックダウンと学校閉鎖により数百万人の生徒と家族が影響を受けた点
  • 以前より深刻な学習危機(learning crisis)が存在し、2020年に新たな全国教育政策(National Education Policy 2020:NEP 2020)が策定された点

―を挙げている。

今回の分析の結果、以下の4つの重要な洞察が得られた。

  • 1. 女性と親はソーシャルメディア上の「日々の」会話に参加していない: インドでは学校教育に関する日常の体験や困難(リモート授業による苦労等)がソーシャルメディア上で語られることは少なく、特に女性や親の立場からの教育に関する意見は非常に少なかった。
  • 2. 教師は組織化して国家レベルの変更を要求している: サンプルのうち会話量が最も多かったのは、ハッシュタグキャンペーン等を利用し、政治家に対してよりよい政策を要求する教師の声であった。
  • 3. 生徒も結束して入試に関する意見を述べている: 生徒らも、パンデミック中の大学入試に関する措置等について政治家への意見を述べるために、ソーシャルメディアを利用していた。
  • 4. NEP 2020に関する投稿は概して目立たない: NEP 2020が可決されたことやそれに関する感想を共有した投稿の割合は、教師の問題や入試に関する投稿に比べて小さかった。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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