2022年09月
トップ  > インド科学技術ニュース> 2022年09月

新たな低コストのポリマーベース電極開発―スーパーキャパシタの電気化学特性向上へ インド

近年のエネルギー需要の飛躍的な増大に伴って、再生可能エネルギーの収集と貯蔵の手法と材料の研究は大きな注目を浴びている。インド科学技術省は、データ記憶用に優れたスイッチング特性と低消費電力要件を備えたメモリデバイスが開発された。

インド科学技術省は8月1日、アレッピー(ケララ州)にあるサナタナ・ダーマ・カレッジ(Sanatana Dharma College)の研究グループが、ポリアニリン (PANI) ベースのスーパーキャパシタの性能を向上させる手法を発見し、非常に高い比誘電率を達成、単位面積あたりの静電容量(面積静電容量)とサイクル寿命の延長も可能にしたと発表した。

新たに開発されたのは、低コストで純粋な導電性ポリマーベースの電極/レドックス(酸化還元反応)活性電解質の組み合わせで電気化学的性能とサイクル安定性を向上させエネルギー貯蔵が促進されるというものである。新たに開発された高性能なスーパーキャパシタ(あるいはウルトラキャパシタ)は、バッテリの特性を組み合わせることで、大量の電力と持続的なエネルギー放出を実現し、デバイスを瞬時にスタートさせるエネルギー貯蔵技術となるという。

SSDP-PANI ベースのスーパーキャパシタを使用して給電された赤色発光ダイオードの画像
(PIBリリースより)

スーパーキャパシタの開発において、電極材料は重要な役割を果たす。ポリアニリンやポリピロールなどの導電性ポリマーは、柔軟性、安定性、調整可能な電気的かつ電気化学的特性により、電極材料の優れた候補であり、かつ安価、軽量で、簡単に合成が可能であると考えられている。ただし、これらの電極を使用して製造されたスーパーキャパシタは、数サイクルの連続動作の後、初期の電気化学的静電容量を維持が難しい。このようにエネルギー密度が低いことは、スーパーキャパシタの実用化においては大きな課題となっている。

サナタナ・ダーマ・カレッジの研究者は、自己安定化重合(SSDP: Self-Stabilized Polymerization)により合成された純粋で多孔質の導電性高分子量PANIから作られた電極について、レドックス反応を促進する添加剤(レドックス添加剤)で強化された電解質と一緒に使用することで、エネルギー貯蔵デバイスを駆動でき、非常に高いパフォーマンスを示すことを発見した。

これらの電極を使用して製造された軽量対称スーパーキャパシタは、多くの他の電極材料よりも優れており、導電性高分子ベースの電極は、軽量で安定性にも優れているとのことであり、電極材料と電極/レドックス活性化電解質の組み合わせのバインダーフリーの特性、多孔性、均一で高い分子量および優れた導電率により、スーパーキャパシタの優れた性能と長いサイクル寿命が達成されたというもの。

ジャーナル「Electrochimica Acta」に掲載されたこの研究は、科学技術庁 (DST) の科学技術インフラ改善基金 (FIST) を通じて調達された計測設備を使用して実施されたものだ。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部