2022年12月
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接触抵抗の低い2Dトランジスタを作るための計算技術開発 インド

インド理科大学院(IISc)の研究チームは、ナノ材料として知られるMXeneの識別に役立つ計算技術を開発し、接触抵抗の低い2Dトランジスタを作ることを可能にした。科学誌 nature india が11月2日に伝えた。研究成果は学術誌 npj Computational Materials に掲載された。

最も単純なMXeneは、遷移金属元素で構成された2つの層に炭素または窒化物の層が挟まれた構造をとる。今回開発された技術では、スクリーニングによって、何千種類ものMXene材料から適切な種類のMXeneを選び出すことが可能となる。

単純な化学構造を持つMXeneは、金属やグラフェンと同じような電気伝導性を持つ。MXeneは、さまざまな色があり、厚さ1ナノメートルの単一フレーク状もしくは層状に作ることができる。ただ、これまでトランジスタへの適用を目的としたMXeneの電気特性の検討は行われていなかった。

研究チームは、電気特性の検討を行うための高性能な計算技術を開発し、IIScが所有する23,000種類を超えるMXene材料のデータベースからスクリーニングを行った。この作業を通して、研究チームは非磁性金属原子を持ったMXene材料を選び、38種類の半導体MXeneを見つけ出すことに成功した。

研究者らは、「MXeneの化学構造は、ドーピングを行うことなく、金属回路との接触において、低い抵抗値を取ります」と話し、これが数十ナノスケールサイズの2Dトランジスタを作るための解決策になるかもしれないと期待している。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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