2022年12月
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バナジウムに富んだ鉱物が見つかる インド・カンバット湾の堆積物から

インド地質調査所(GSI) の研究チームは、グジャラート州のカンバット湾の堆積物から工業用原料として重要なバナジウムを見つけたと発表した。科学誌 nature india が11月1日に伝え、研究成果は学術誌 Proceedings of the National Academy of Sciences に掲載された。

論文の筆頭著者であるバラクリシュナン・ゴパクマール(Balakrishnan Gopakumar)氏は、「インドの沖合堆積物からバナジウムを含んだチタン磁鉄鉱が見つかったのは、おそらく初めての報告です」と話した。

バナジウムは、多くの戦略的産業で利用されており、高強度鋼やバナジウム電池の原材料として重要な役割を果たす。また、チタン磁鉄鉱は、バナジウムの主要な供給源であり、現在世界のバナジウム生産の88%を占める。ただ、インドに埋蔵するチタン磁鉄鉱は、国内のバナジウム需要を満たすだけの量はないと、論文の著書らは考えている。

研究チームは、カンバット湾の堆積物から採取した69の試料を用いて、走査型電子顕微鏡観察や原子吸光分析、X線回折、電子プローブマイクロ分析、重鉱物分析を行った。これらの分析結果を踏まえ、研究者らは、「バナジウムを含んだチタン磁鉄鉱は、急速に冷された海底の玄武岩質溶岩の主要な磁性鉱物です。カンバット湾のチタン磁鉄鉱は、後背地であるデカン高原の玄武岩に由来する可能性があります」とし、「バナジウムに富んだチタン磁鉄鉱の多くは、玄武岩質鉱床に由来するため、調査を進めることで、さらなるチタン磁鉄鉱の発見があるかもしれません」と話した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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