インド・ボーパールにあるインド科学教育研究大学(IISER)の研究チームは、ベンガルボダイジュとインドボダイジュの根や葉、生殖器官の成長に関わる遺伝子を特定し、病気やストレスに関する耐性遺伝子の拡大と高い発現が長寿に寄与していることを明らかにした。
ビニート・ケイ・シャルマ(Vineet K. Sharma)氏が率いる研究チームは、最新の遺伝子シークエンシング技術を用いて、葉の組織にあるゲノム全体の配列決定を行った。これによって、ベンガルボダイジュは25,016の遺伝子コード、インドボダイジュは23,929の遺伝子コードをそれぞれ特定した。
ベンガルボダイジュとインドボダイジュは、約80万年前に個体数の激減に直面したが、複数の適応進化(MSA)の兆候を持つ遺伝子を進化させた。
ベンガルボダイジュのMSA遺伝子は主に、根の成長、花粉管と種子の発達、葉の形成、細胞壁合成、代謝、その他の発生プロセスに関与する。また、ピーパルのインドボダイジュのMSA遺伝子は、根細胞の伸長、細胞増殖、種子と花粉管の成長、側方器官の発達、開花時期の制御、代謝と細胞内輸送に関与する。
また、ベンガルボダイジュの17のMSA遺伝子とインドボダイジュの19のMSA遺伝子が、乾燥や酸化ストレス、病原体に対する耐性と形態に関連していることが分かった。研究チームは、植物ホルモンの一種であるオーキシンの調整と細胞老化の調整に関与する遺伝子が進化的な特徴を示していることを明らかにした。さらに、今回の研究を通して、研究者らは受粉のためにハチを引き付ける揮発性有機化合物の生成経路に関与する遺伝子も特定した。
科学誌 nature india が2022年11月14日に伝えた。研究成果は学術誌 iScience に掲載された。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部