2023年01月
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インド初、数学とコンピューティングの総合的な学術研究センターを設立

インド理科大学院(IISc)は1月9日、インド第3位の民間銀行であるアクシス銀行(Axis Bank)と了解覚書(MoU)を締結し、同大学院に数学・コンピューティングセンターを設立したことを発表した。

今回設立したのは、インド初となる数学とコンピューティングに関する総合的な学術研究センターだ。人工知能(AI)やデータサイエンスなどの分野の多くは、数学とコンピューティングの基礎に依存しているため、このセンターは国の未来を築く上で重要な役割を果たすと期待されている。

IISc所長のゴビンダン・ランガラジャン(Govindan Rangarajan)教授は、「数学とコンピューティングは、計算流体力学、計算生物学、量子コンピューティング、プレシジョン・メディシン(精密医療)、デジタルヘルス、気候科学、材料ゲノム学、サイバーセキュリティ、AI、機械学習(ML)、データ科学などの重要な分野の中核を成している。このセンターは、上記分野における研究およびイノベーションを探求し、推進するためのプラットフォームを提供する」とし、「この最新鋭の施設は、これらの分野における次世代のリーダーを育成する場として、学生や教員にさまざまな教育や専門能力開発の機会を提供する」と述べた。

アクシス銀行のマネージングディレクター、CEOであるアミタブ・チャウドリー(Amitabh Chaudhry)氏は、「IIScの取り組みに協力できることを誇らしく思う。インドは新時代の革新的で質の高い教育の世界的なハブとして大きな可能性を持っている。これは国の将来の世代を支援し、育てる役割を果たすために私たちができる貢献の1つだ」と強調した。

センターの約1500平方メートルの敷地には、最先端のラボがあり、数学とコンピューティングの新しいプログラムが実施されるなどして、IIScの20以上の学部の教員や学生が利用する予定だ。さらに毎年500人以上のエンジニアや科学者がこのセンターを活用する見通し。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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