2023年01月
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超音波イメージングの限界を超えた解像度の実験的実証に世界で初めて成功 インド

インド工科大学マドラス校(IIT-M) は1月3日、同大学機械工学科非破壊評価センターのM. スベアー S.A. アリ(M. Subair S.A. Ali)博士とプラブ・ラジャゴパール(Prabhu Rajagopal)教授が、世界で初めて、超音波領域における波の情報の拡大と、遠距離で超高解像度の超音波画像を実現するハイパーレンズとその情報の受信技術の開発に成功したことを発表した。研究成果は科学誌 Scientific Reports に掲載された。

解像度の高い画像を取得する技術は工業的にも医学的にも重要視されている。従来の光学系での回折限界を超えた画像を取得するために注目されている技術が、波を操ることができる人工材料メタマテリアルを素材とするハイパーレンズを用いたものだ。

ハイパーレンズは、メタマテリアルの特性により画像取得に使用する波長よりも小さな物体の拡大画像を取得することが可能となる。これまでにハイパーレンズを用いた画像取得は、電磁波や音波の領域で実証されていたが、超音波の領域ではほとんど研究されていなかった。

アリ博士とラジャゴパール教授は超音波領域の波の特徴を拡大し、遠距離で超高解像度の超音波画像を実現できるハイパーレンズと、その情報を受信する技術を世界で初めて開発した。

英国のブリストル大学機械工学科のブルース・ドリンクウォーター(Bruce Drinkwater)教授は「超音波画像は、医療診断や工学構造物のひび割れ検出において重要な技術だ。この技術においてもその分解能に回折限界があることが知られていた」としたうえで、今回の研究について「超音波ハイパーレンズを用いてその限界を打ち破ることに成功した。この成果はより高い解像度を持つ実用的なイメージングシステムの実現に向けて重要な一歩となるだろう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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