2023年02月
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スマホで測定、新型コロナウイルス抗原を検出するデバイス開発 インド

インドのハイデラバードにある科学技術省バイオテクノロジー庁(DBT)傘下の国立動物バイオテクノロジー研究所 のソヌ・ガンジー(Sonu Gandhi )氏率いる研究チームは、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)抗原を迅速に検出でき、その反応強度をスマートフォンのアプリで測定可能な携帯デバイスを開発した。科学誌 nature india が1月27日に報告した。研究成果は学術誌 Journal of Medical Virology に掲載された。

今回開発したデバイスは、サンプルパッド、コンジュゲートパッド 、テストラインとコントロールラインを含む特異膜、吸収パッドで構成されている。ウイルスのスパイクタンパク質の受容体結合ドメイン(RBD)を抗原として使用し、RBD特異的な抗体を金ナノ粒子に付着させたものを捕捉プローブとして使用した。

RBD抗原を含むサンプルをサンプルパッドに滴下すると、コンジュゲートパッド上の抗体を付着させた金ナノ粒子が複合体を形成し、膜上を移動、テストラインとコントロールライン上にウイルス抗原の存在によるカラーバンドが形成される。スマートフォンアプリによる測定で得られる発色の強度は、抗原の濃度に反比例しており、反応強度が低いほど重度の感染、高いほど軽度の感染を示す。このデバイスを用いた検査は10分以内に完了でき、新型コロナウイルス感染症(COVID−19)患者から採取した100個のサンプルにおいて、感度94.3%、特異度90.9%でウイルス抗原を検出することができた。

研究チームは、この検出方法は訓練を必要とせず、家庭や遠隔地の農村部の人々でも使用できると述べている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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