インド工科大学マドラス校(IIT-M)は4月10日、光弾性解析とシミュレーションの分野における4つの最新ソフトウェアパッケージを、産業界のパートナーを通じて商品化したことを発表した。
光弾性効果とは圧力を受けた物質が複屈折を起こす現象で、生じた応力と一定の関係にある複屈折について偏光板などを通して測定することで詳細な応力分布を得ることができる。解析は、デジタルコンピューターと画像処理技術の出現により、大きな変化を遂げているが、これまで研究室や産業界でこの技術を活用するための包括的なソフトウェアプラットフォームは存在しなかった。
今回商品化した製品は、実験に基づく光弾性応力解析ツールの初めての包括的なソフトウェアだ。IIT-Mは、チェンナイのOnline Solutions(Imaging)社とライセンス供与および収益化契約を締結した。Online Solutions(Imaging)社からオペレーション担当ディレクターのK. センティル・クマール(K. Senthil Kumar)氏、ビジネス開発担当ディレクターのS. スクマール(S. Sukumar)氏が、IIT-Mからはマヌ・サンタナム(Manu Santhanam)学部長とIIT-M応用力学科のK. ラメッシュ(K. Ramesh)教授が参加し、3月20日に契約式が行われた。
ラメッシュ教授は、「光弾性の技術は、応力解析を伴ういくつかの機械や航空宇宙アプリケーションに加え、歯科、人工関節の開発、膝や股関節の置換設計で発生する応力の緩和、硬膜外注射針の形状設計、携帯電話のカメラに使われる精密ガラス成形などの材料加工の改善、3D電子機器の応力分析などさまざまな領域で利用されます」と話し、開発したソフトウェアの重要性を強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部