2023年06月
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印・仏・豪の3国間対話が再開 サイバーセキュリティ・宇宙・重要鉱物の採掘で協力

自由で開かれた、包括的でルールベースのインド太平洋の実現を目指して2020年9月に発足したインド・フランス・オーストラリア(IFA)3国間対話が、2年近くの空白期間を経て復活した。2023年3月、3カ国の専門家がトラック2対話のために再び会合を持った。インドの政策シンクタンク、カーネギー・インディア(Carnegie India)が5月3日付けで明らかにした。

IFAは、2021年9月のAUKUS(米国・英国・オーストラリアの安全保障協力の枠組み)の発表を受けフランスとオーストラリアの関係が悪化したことで頓挫していたが、このほど両国の関係が改善したことにより、ようやく再開の運びとなった。

インド、フランス、オーストラリアは、特に防衛、サイバーセキュリティ、重要鉱物の採掘の分野で相互に利害関係を共有しており、様々な2国間の取り組みを進めている。

例えば、インド・オーストラリア間の包括的戦略的パートナーシップは、医療のサプライチェーンの多様化、サイバーセキュリティの確保、新たな鉱物探査・採掘技術の開発に向けた協力など、科学・技術・研究におけるイノベーションを強化している。

同様に、インドとフランスは、ハイテク防衛システムの共同開発を進め、原子力エネルギーと宇宙に関する問題をめぐる協調を模索しているほか、サイバーセキュリティシステムの強化に向け協力している。

一方で、フランスとオーストラリアは協力して、宇宙セクターにおける相互の成長促進と、堅固で安全かつ倫理的な重要鉱物サプライチェーンの開発に取り組んでいる。IFAは、こうした2国間の仕組みを3国間の取り組みに変えるのに理想的な基盤となる。

クアッド(日米豪印4カ国の連携の枠組み)同様、IFAは大きな可能性を秘めている。インド洋などのサブ地域における共通の利益を一貫して追求し、徐々に他の地域に拡大していくことができれば、インド太平洋地域で最も効果的な協力関係の一つとなる可能性がある。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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