2023年06月
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自由曲面の正確性を高精度・高速に評価するアルゴリズム開発 インド

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は4月18日、同校の研究者らが、製造業において重要な自由曲面の正確性を高精度かつ高速に評価できるアルゴリズムを開発したことを発表した。研究成果は学術誌Computer-Aided Designに掲載された。

自由曲面やそのプロファイルは、自動車、航空宇宙、生物医学産業などの分野で使用される汎用性の高い部品のモデリングに幅広く応用されている。一方で、製造工程における制約により、理想とする形状を完全に作り出すことはできない。理想表面との誤差を減らすために、製造した物体の形状を測定する三次元測定器(CMM)が使用されている。一般にCMMで測定した形状と理想形状との差は比較的時間がかかるポイントインバージョン法を用いて推定されているが、より早く正確に推定する方法が求められていた。

IIT-M機械工学部のハリ・ガネッシュ(Hari Ganesh)氏とG.L.サミュエル(G. L. Samuel)教授は自由形状プロファイルの偏差を測定する2段階の手法を開発した。1段階目では、グローバル極抽出アルゴリズムにより、CMMで測定したデータを適切に離散化して分割し、そのデータをもとに2段階目で使用するデータを計算する。2段階目ではプロファイル偏差推定アルゴリズムを用いて、理想曲面と測定データの偏差を推定する。この手法は精度が高く、実行時間も短いため、CMMによる検査や、最新のCNC(Computer Numerical Control)マシンでの自由形状プロファイルの検査に適していることが分かった。

米国のテキサスA&M大学教授で、TEES(Texas A&M Engineering Experiment Station)Institute for Manufacturing Systemsのサティッシュ・ブッカパトナム(Satish Bukkapatnam)所長は、「この研究は計算幾何学においてよく知られている概念を、幾何学的なプロファイルの誤差を捉えるためにエレガントに応用したものです。現在のインダストリー4.0時代において重要視される、高精度、高速度、そしてメモリやストレージなどのリソースの低消費といったポイントを満たしているものだと思います」と研究の重要性についてコメントした。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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