インドの電気通信事業者であるバーティ・エアテル(Bharati Airtel)社が、アンチスパムフィルターを作成し、ピーク時には1日200万件のメッセージを検出してブロックする人工知能(AI)ソリューションを開発した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが5月9日付で伝えた。

バーティ・エアテル社は現在このシステムをインドの商業銀行であるHDFC銀行との提携でテストしている。両者の間で直接接続を確立し、エンドツーエンドのSMS接続を確保しているという。同社はまた、このソリューションを実証するために、銀行業界やその他の団体と協議中である。未承諾の商業通信を通じたフィッシングやサイバー詐欺の抑制は、毎月100億～150億ポンドの金銭的損失につながると推定されるため、インド電気通信規制庁(TRAI)や他の金融規制当局の最重要課題となっている。

このソリューションには、A2P(アプリケーションから個人へ)またはP2P(個人から個人へ)のルートで詐欺メッセージの受け取りを拒否し、顧客を保護する機能がある。また、同社はまた、10万以上の番号に上限を設けることでUCCを検出する対策も実施しており、これもP2Pスパムの減少に貢献している。

同社は、TRAI長官PDヴァゲーラ(PD Vaghela)氏に宛てた書簡の中で、「アンチスパムソリューションはルールに基づいて設計されており、例えばHDFCのブランド名を悪用したテンプレート(ブランドが通信事業者に登録する事前定義されたメッセージフォーマット)を含め、現在までに13万件以上のテンプレートを積極的に停止しています」と述べた。また、同社は、業界における未承諾の商業通信を抑制するために、TRAIを支援することを表明した。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部