インド工科大学マドラス校(IIT-M)に最先端のコンピューター・アーキテクチャに関する研究施設が落成した。4月27日付け発表。落成は、インドの電子・情報技術相兼技能開発・起業促進相のラジーヴ・チャンドラセカール(Rajeev Chandrasekhar)氏が公表した。

従来のコンピューターでは、アーキテクチャが汎用計算向けに調整されており、さらに電力の問題もあり、新しい人工知能(AI)アプリを扱うことができないという課題があった。そこでAIアプリのレイテンシーと消費電力の要件を満たす新しいクラスのコンピューターが必要とされている。

今回落成した「Veena and Pratap Subrahmanyam Centre for Digital Intelligence, Security Hardware and Architecture(V&PS - CDISHA)」は、AIアプリを扱う新しいクラスのコンピューターの構築など、IIT-Mが開発した固有のマイクロプロセッサーであるSHAKTIを使って、さまざまな最先端の研究を行う。

IIT-MのディレクターであるV. カマコティ(V. Kamakoti)教授は、「コンピューター・アーキテクチャの分野は発展がめざましく、本からではなく、実験によって学ぶプラットフォームが必要です。このセンターはまさにこの実践の場として機能するでしょう」とセンターの意義を強調した。

同日には、「MacDermid Alpha Center of Excellence in Electronics Assembly and Skills Development」の開所式も行われた。IIT-Mのセントラル・エレクトロニクス・センター内に設立された自動PCB組立施設であり、年間約1000人のエンジニアや学位取得者を育成することを目的としている。ソルダーペーストプリンター、ソルダーペースト検査システム、コンポーネントピック&プレースマシン、リフローオーブン、自動光学検査システムなど、表面実装技術ラインの最新設備を備えている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部