インド理科大学院(IISc)は、英国のエネルギーシステム・カタパルトが主導する「輸送とエネルギーシステムのためのイノベーション(ITES)」とパートナーシップを締結した。英国とインド両政府、英国研究イノベーション機構(UKRI)の支援を得た。5月3日付け発表。
英国のウェストミンスターで4月26日に、両国の科学大臣が署名した了解覚書(MoU)を受けてパートナーシップについて発表された。両国の科学とイノベーションを促進し、経済成長を実現するための最初の取り組みの1つとなる。両国とその他の国々に人や物が移動する際に、より環境に優しく、より速く、より手頃な価格で輸送や移動できる方法の開発を目的とし、両国のイノベーターや、産業界、研究者、政策立案者および投資家を集め、電気自動車対応のインフラ開発など、交通システムにおける脱炭素化への難題に取り組む。インド国内ではIIScによって運営される。
ITESは、英国の中小企業がインドの中小企業やベンチャーとコラボレーションするために円滑な調整を行い、輸送の脱炭素化に役立つソリューションを安全に開発、試験、輸出できるよう支援する。水素ソリューションなど、よりクリーンな輸送手段とエネルギーシステム構築のため複数の解決策を検討し、ゼロエミッション車両やラストマイル配送、革新的な充電技術など、市場主導で現実的な問題を解決する活動を行うことを目指している。
エネルギーシステム・カタパルトの最高責任者であるガイ・ニューウィー(Guy Newey)氏は、「交通機関の脱炭素化は、私たちが直面する最大の課題の一つです。両国が協力し、中小企業が協力することでソリューションをもたらすチャレンジを行います。脱炭素化への取り組みを加速させ、経済の潜在力を引き出します」と語った。
IIScの持続可能な交通(IST)ラボのコンビーナーであるアシシュ・ヴェルマ(Ashish Verma)教授は、「インドは現在、交通を含む多くの分野で経済成長とインフラ整備の興味深い局面を迎えており、持続可能でネットゼロの未来へと飛躍する大きなチャンスです。この機会を活かすために、ISTラボでは本取り組みを強力に推進していきます」と抱負を述べた。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部