インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、イスラエル政府がIIT-Mを通じてインドと提携し、水資源管理や水技術などの研究開発を行うインド・イスラエル水技術センター(CoWT)を設立したことを発表した。5月17日付け。
5月9日にインドのニューデリーで、インドのノジ・ジョシ(Manoj Joshi) 住宅都市相、IIT-MのV・カマコティ(V. Kamakoti)学長らの立会いのもと、趣意書の調印式が行われた。
インドにとってイスラエルは戦略的パートナーであり、しかも統合水資源管理におけるリーダーでもある。インド政府は、イスラエルの国際開発協力機関であるイスラエル国際開発庁(MASHAV)と協力して、IIT-MにCoWTを設立する。このセンターは、イスラエルの最高技術を導入し、インドの水部門の持続可能な管理ソリューションに取り組むことを主な目的としている。住宅都市省(MoHUA)の都市インフラ整備(AMRUT)ミッションの全体的な目標達成に大きく貢献する予定だ。
飲料水と下水道管理の問題に対処するだけではなく、科学技術情報、文献等をやり取りし、水分野の諸問題について両国の専門家が議論や協議を行う予定だ。さらに研究者の能力開発、最新技術によるプロジェクトの実証、イスラエルの水企業の展示など、特定の分野での協力強化にも取り組む。加えて、両政府は、この分野における最先端技術の実証を目的として、統合水資源管理、都市の給水と無収水、上下水道のリサイクル、IoTソリューションとオンラインモニタリング、水の収穫、スマートデータ管理、人工知能(AI)知能などに関連する特定のプロジェクトを共同で行う意向である。
調印式に立ち会ったIIT-M教授のT. パラディープ(T. Pradeep)氏は、「インドの水の安全保障は、先進的で安価な技術の導入と資源の効率的な管理にかかっています。この分野のリーダーであるイスラエルから学ぶべきことは多くあります」とパートナーシップの意義を強調した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部