2023年08月
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支援技術の開発拠点へ、国立健康支援技術センターを設立 インド

インド工科大学マドラス校(IIT-M)は6月17日、支援技術の研究開発を促進するため、インド医学研究評議会(ICMR)のイニシアチブである国立健康支援技術センター(NCAHT-IITM)を発足させた。

開幕式で、インド政府の保健研究相兼ICMR事務局長のラジブ・バール(Rajiv Bahl)博士は「NCAHT-IITMは、支援技術の研究開発と技術革新の推進を目的としています。このセンターは、利用者、開発者、政策立案者の間のギャップを埋め、機能障害を持つ人々の生活を変える計り知れない可能性を秘めています。イノベーション、インクルーシビティ、アクセシビリティを促進するエコシステムを育むでしょう。さらに、ユーザーと開発者の交流の場となり、アイデアの交換、コラボレーションを通して新しい支援技術の設計を促進します」と語った。

NCAHT-IITMは、IIT-Mリサーチ・パーク(IITMRP)の10X Assistive Technology Programと共同開発され、社会的包摂を促進するよう設計されており、没入型体験センターとして機能する。さまざまな体験ゾーンを通じて、障害者や高齢者が直面する現実の課題を実証することができる。スタートアップ企業がデバイスを開発し、ユーザーに体験してもらい、フィードバックを得てデバイスを改良し、最終的に技術を商品化することを支援する。ユーザー中心設計のためのイノベーション・ハブ、車椅子技能ラボ、オープンイノベーション・ポータル、政策研究デスク、普及センターも備えている。人間の運動やリハビリテーション、支援機器の設計・開発に関わるIIT-M付属のTTKリハビリテーション研究・機器開発センター(R2D2)での研究、設計、開発の取り組みを補完する支援技術のエコシステムを育成することも目的の1つだ。

IIT-MのV・カマコティ(V.Kamakoti)学長は、「IIT-Mはインクルーシブ教育に取り組んでおり、身体的障害を持つ人々の学業と社会的ニーズの両方に取り組んでいます。学業面でも社会面でも、身体的障害を持つ人々のニーズに対応しています。NCAHT-IITMはこうした取り組みを次のレベルに引き上げるのに役立つでしょう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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