2023年09月
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メタとAI・新興技術分野の協力関係構築へ覚書 インド

India AI社は米SNS大手メタ(旧フェイスブック)と、AI(人工知能)と新興技術分野で先駆的な協力関係を構築することを目的に了解覚書(MoU)に調印した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが7月27日付で伝えた。

MoUへの調印は、India AI社のCEOであるアビシェック・シン(Abhishek Singh)氏と在インドのメタの取締役兼公共政策責任者であるシブナス・トゥクラル(Shivnath Thukral)氏により行われた。このMoUにより、メタのオープンソースAIモデルがインドのAIエコシステムで利用されることにつながる。

両社は、AIと新興技術のスタートアップエコシステム育成のためのセンターオブエクセレンス設立も検討している。また、メタのAIモデル活用により、リソースの少ない言語の翻訳や大規模言語モデルを可能にするためのインド言語のデータセット構築も目標としている。これにより、社会包摂を育み、政府サービスの提供を強化し、大規模言語モデル、生成系AI、認知システム、翻訳モデルを使ったイノベーションを推進することが期待される。

さらに両社は、インドの研究者、専門家、学生の間でAIと新興技術のスキルや専門知識を向上させるプログラムやイニシアチブを開発し、インドのAI人材の成長に貢献する予定だ。また、さまざまな利害関係者の間でAIの潜在的な利益とリスクに関する認識を高め、包括的なツールやガイドラインを共同で開発し、責任あるAIの実践の促進にも協力するとしている。

アビシェック氏は「インドはデジタル技術導入の最前線にあり、AIと新興技術はより多くの人々に技術の利益を広げる上で重要な役割を果たします。メタとのパートナーシップを通じて、最先端のAI技術を活用することで、大きな課題に取り組むことになるでしょう」と述べた。これに対し、メタのグローバル・アフェーアズ・プレジデントであるニック・クレッグ(Nick Clegg)氏は「India AI社はエキサイティングなプログラムであり、政府と産業界が緊密に協力することで、インドのデジタル・リーダーシップを強化し、AIツールがインド独自のニーズに合わせて構築されるよう支援することができるでしょう」と語った。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

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