インド科学技術庁(DST)のラジェシュ・ゴーカレ長官が退任し、インド工科大学(IIT)カンプール校学長のアバイ・カランディカール教授が新長官に就任した。インド科学技術省が10月3日付で発表した。
DSTの新長官に就任したアバイ・カランディカール氏(右)
(出典:PIB)
カランディカール氏はIIT カンプール校を卒業後、IIT ボンベイ校でキャリアをスタートし、電気工学部の学部長 (教務) を務め、IITボンベイ校のリサーチパーク初代担当教授やコンピューターセンター長を歴任。続いて、自身の母校であるIIT カンプールの学長に就任した。
同氏は電気工学が専門。インドの電気通信部門において、特にインドの地方における安価なブロードバンド接続を可能にする「倹約(Frugal) 5G ネットワーク」のコンセプトを開発し、国家レベルでの通信政策の推進に大きく貢献した。
同氏の研究チームは、5Gネットワークの一部として、統合された制御や管理フレームワークの下で複数の無線アクセス技術 (Radio Access Technologies: RATS) を統合するために、SDN(Software-Defined Networking)ベースのアーキテクチャを開発した。また、SDN、RANの仮想化、倹約5Gにおける新しいフレームワークを提案し、さらに、同研究グループが開発した技術に関する特許出願も主導したとされている。
同氏はまた、インドの電気通信標準化の推進団体であるインド電気通信標準開発協会 (Telecom Standards Development Society of India: TSDSI) の設立における国家的取り組みの先頭に立って活躍したことでも知られている。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部