インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、傘下のセンターフォーレスポンシブルAI(CeRAI) が世界的企業のエリクソン(Ericsson) と、責任ある人工知能(AI)分野の共同研究を推進する了解覚書(MoU) を締結したことを発表した。9月25日付。
エリクソンは「プラチナ・コンソーシアム・メンバー」として5年間CeRAIと提携し、CeRAIのすべての研究活動を支援する予定だ。締結を記念してエリクソンとIIT-Mのリーダーが参加し、未来のネットワークのための責任あるAIに関するシンポジウムが開催された。
IIT-Mのマヌ・サンサナム(Manu Santhanam) 学長(産業コンサルタント・受託研究)は、シンポジウムで講演し、次のように述べた。
「IIT-Mは、産業界と協力してインパクトのあるトランスレーショナルな研究を行うことを強く信じており、このテーマで最先端の研究開発を行うためにエリクソンと協力できることを非常にうれしく思っています。6Gと将来のネットワークは、物理世界とデジタル世界をシームレスに融合させ、没入型のAR/VR体験を可能にすることを目指しています。AI制御のセンサーが人間と機械をつなぐ一方で、信頼性、公平性、プライバシー順守を確保するためには、責任あるAIの実践が不可欠です。私たちは、公益のためにAIアルゴリズムの信頼性と説明可能性を高める最先端の手法を開発することに重点を置いています。本連携は、インド政府のBharat 6Gプログラムのビジョンに沿ったものです」
シンポジウムでは、「未来のネットワークのための責任あるAI」をテーマにパネルディスカッションが行われ、研究成果が発表された。主なプロジェクトは次のとおり。
ヘルスケアにおける大規模言語モデル(LLM) に関するプロジェクト
モデルによって示されるバイアスの検出、モデルの実世界での適用性に関するスコアリング手法、LLMにおけるバイアスの低減に焦点を当てる。
参加型AIに関するプロジェクト
開発前、設計、開発・訓練、配備、配備後、監査を含むさまざまな段階において、AIのブラックボックス的性質に取り組んでいる。利害関係者がAIのより良いカスタマイズのために建設的なインプットを提供し、精度と信頼性を向上させ、潜在的な悪影響について異議を申し立てることを可能にするガバナンス・メカニズムを研究する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部