インド理科大学院(IISc)が、世界有数の設計・技術サービスプロバイダーであるインドのタタ・エルクシ(Tata Elxsi)社と自動車サイバーセキュリティソリューションを共同開発することが明らかにされた。10月5日付発表。
複雑な車載センサーネットワークや、運転を制御するソフトウェアの数多くの進歩によってもたらされるサイバーセキュリティの課題に対し、この共同開発は、タタ・エルクシが有する、人工知能(AI)と機械学習(ML)とソフトウェアで制御された自動車(SDV)と、電気自動車(EV)ソリューションに向けたビジネス、そしてIIScが有する高度な研究力を活用し対応することを目的としている。
車車間およびV2X(Vehicle-to-Anything)接続の進歩により、盗難、遠隔操作、改ざん、個人情報の吸い上げなどの機会が増えている。共同開発では、AIとMLベースの侵入検知を利用した、コネクテッド自動車におけるセキュリティと脅威検知にも取り組む。
タタ・エルクシ社のマノジ・ラガヴァン(Manoj Raghavan)最高経営責任者(CEO)兼マネージングディレクター(MD)はこの共同開発について、「私たちは、自動車産業の未来が安全な自動車と信頼にかかっていると認識しています。自動車のデジタル技術への依存度が高まる中、サイバーセキュリティを確保することが最も重要です。サイバーセキュリティソリューションと製品に焦点を当てたIIScとのパートナーシップにより、当社の顧客と自動車メーカーは、最終顧客に安心を提供しながらより安全で弾力性のある自動車を製造できると確信しています」と語った。
IISc所長のG・ランガラジャン(G Rangarajan)教授は「現在のデジタルで相互接続された世界では、サイバーセキュリティの脅威は技術の進歩に歩調を合わせて増大しています。IIScでは、このような課題に対処するための産学連携に常に力を入れています。タタ・エルクシ社とコネクテッド自動車セキュリティという重要な領域でイノベーションを促進できることをうれしく思います」と語った。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部