インド工科大学マドラス校(IIT-M)は、最先端のシリコンフォトニクスを研究するセンターオブエクセレンス「シリコンフォトニクスCoE-CPPICS」を開設したことを発表した。10月20日付。シリコンフォトニクス技術は、データセンター用の高速トランシーバーや、量子計算、量子鍵配布、ニューラルネットワーク、人工知能(AI)、5G/6Gや将来のネットワークなど多くの先端技術アプリケーションに不可欠なものだ。
インドの電子・情報技術省(MeitY)の資金援助を受けてIIT-Mに開設されたシリコンフォトニクスCoE-CPPICSは、国内の格差を縮小し、政府が掲げるインド半導体ミッションの野心的な目標達成のために重要な役割を果たすことになる。また、5年以内に自立化しスタートアップによる製品化を推進することを目標としている。
開所式には、インドのシュリ・S・クリシュナン(Shri S. Krishnan)電子・情報技術相はじめ、IIT-MからはV・カマコティ(V.Kamakoti)学長、電気工学科長のナゲンドラ・クリシュナプラ(Nagendra Krishnapura)教授らが、米国のインテル(Intel)社シリコンフォトニクス製品部門からはキショア・カマス(Kishore Kamath)副社長(R&D)らが参加した。
クリシュナン氏は開所式のあいさつで、「インテル社やインドのSi2マイクロシステムズ(Si2 Microsystems)社がパートナーに加わってくれることでより大きな利益を得ることができるでしょう。このセンターは起業家精神と研究が成長し、産業界に技術移転するために設立されました。ここに集まっている学生の皆さんの健闘を祈ります」と期待を表明。カマコティ学長は「我が国が半導体エレクトロニクスの分野で独自の能力を構築する方向に向かっている中、シリコンフォトニクスのCoEを設立したことは非常に心強いことです」と語った。
CPPICSではインドにおける光集積回路(PIC)製造の将来のエコシステムを強化するためのトレーニングを提供するとともに、システムレベルアプリケーションの精密なパッケージングのために、インド固有のPIC設計ルールとハードウェア・インフラを積極的に開発する。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部