インド工科大学デリー校(IIT-D)は、世界的なサイバーセキュリティ企業であるカスペルスキー(Kaspersky)社とサイバーセキュリティ関連の研究・教育イニシアチブの発展を支援・奨励するための了解覚書(MoU)を締結した。
本協定に基づき、カスペルスキー社とIIT-Dは協力してサイバーセキュリティ教育と研究を推進し、インドにおけるサイバーセキュリティ人材のより強固な輩出体制構築を目指す。MoUには、専門知識の交換、教材の開発、サイバーセキュリティに対する意識を高めるためのイベントの開催と推進、IIT-Dの学生のICTとサイバーセキュリティ分野におけるキャリア経験を奨励するための賞の後援などが含まれている。また、卒業生向けに、需要の高い関連能力を提供する新しいトレーニングコースやプログラムも実施し、IIT-D卒業生の就職市場での魅力向上にも取り組む。
カスペルスキー社のアジア太平洋地域担当マネージングディレクターであるエイドリアン・ヒア(Adrian Hia)氏は「私たちは、量的にも高度化しつつあるサイバー脅威から身を守るために必要な専門知識とスキルを開発するために協力しなければなりません。IIT-Dとの協力は、インドでより優秀なサイバーセキュリティ専門家を輩出し、より安全なデジタル世界の実現に貢献することになるでしょう」と期待を寄せた。
一方、IIT-Dの研究開発部長であるナレシュ・バトナガル(Naresh Bhatnagar)教授は「今回の提携は、サイバーセキュリティのリーディングカンパニーとして信頼されている同社の協力を得て、最先端の洞察力と実践的なスキルを学生や研究者に提供することを目的としています」と語った。
カスペルスキー社は大学向けの最新の協力プログラム「アカデミー・アライアンス」を2022年9月に始めた。今回のMoUを通じてIIT-Dはこの教育提携プログラムに参加する地域初の大学となる。
(2023年12月7日付発表)
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部