インド工科大学マドラス校(IIT-M)は1月8日、オーストラリアのディーキン大学と共にIITマドラス・ディーキン大学研究アカデミーを設立すると発表した。
この先進的なアカデミーは、共同の国際研究プロジェクト、共同教育、奨学金を通じて、南アジア地域協力連合(SAARC)および東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国を代表する優秀な大学院研究者を育み、グローバルな課題を解決することを目指す。
このアカデミーは、クリーンエネルギー、重要技術、持続可能性、気候変動、ヘルスケア技術など、オーストラリアとインドにとって戦略的に重要な分野において、先端研究を通じて解決策を先駆的に提案し、両国の社会経済的な目標に貢献する。
アカデミーは、高額の奨学金、両校の教授陣による共同指導、世界クラスの研究施設やリソースへのアクセスを備えた4年間の共同博士課程のほか、オープンイノベーションのエコシステムと研究ネットワークへの参加、インドとオーストラリアのトップ産業パートナーとの協力の機会を提供する。
また、アカデミーは将来の才能の育成だけでなく、産業界の協力に支えられた革新的な研究を奨励するエコシステムの構築に努める。さらには、二国間および多国間レベルの政策や意思決定に影響を与える可能性も期待される。
オーストラリア総領事のサラ・カーリュー(Sarah Kirlew)氏は「知識、教育、および研究のパートナーシップは、オーストラリア・インドの関係の重要な柱です。オーストラリアはIIT-Mと、他のどの国よりも多く共同研究を行っていることを誇りに思っています。ディーキン大学とIITマドラスは長年にわたるパートナーシップを築いており、これによりクリーンエネルギーのソリューションを含む重要なグローバルトピックで先端研究をさらに進展させる重要な次のステップを踏み出しました」とパートナーシップを歓迎した。
研究アカデミーの発足イベントには、駐インド・オーストラリア高等弁務官、オーストラリア貿易投資促進庁の南アジア担当長官、タミル・ナードゥ州大臣をはじめ、両国の学界、産業界、政府関係者などが集まった。このパートナーシップは、世界中の地域社会にとってより良い未来を共有するための国際協力の力も実証することになる。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部