インドのケララ州政府はIBMインド(IBM India)社と提携してコチに人工知能(AI)ハブを立ち上げ、さらに2024年半ばまでにグローバルAIサミットを開催することを決定した。インドのAI関連のポータルサイトINDIAaiが1月12日付で伝えた。
ケララ州政府の産業大臣であるP・ラジーブ(P Rajeev)氏と産業省首席秘書官のスマン・ビラ(Suman Billa)氏は、IBMインド社の上級副社長であるディネシュ・ニルマル(Dinesh Nirmal)氏と会談し、ケララ州コチにIBMインドのハブを置くことに原則合意した。
ラジーブ氏は、「IBMのAIハブを誘致することにより、コチは世界中からトップクラスの専門家を受け入れることになります。またこれと同時に、専門家を世界へ輩出することにもなります。この合意により、IT業界の新世代は恩恵を享受することになりますまた、IBMインド社は従業員数を2倍に増やすことができます」と語った。
今回のコチにおけるIBMのハブは、汎用的はAIに限らず、生成AIに基づいて機能する。IBMはすでに、ボーイング(Boeing)社などの国際的な巨大企業にAIサービスを提供している。「われわれは、ケララ州でのAIサミットにボーイング社が確実に参加できるよう取り組んでいる」とラジーブ氏は語った。
AIサミットでは、インド国内にあるITパークやケララスタートアップミッション、デジタル大学、APJアブドゥル・カラム工科大学が協力する。今後、コチを国の主要なAIハブにするための準備について、ケララ州産業開発公社(KSIDC)が説明を行うことになっている。ケララ州電子開発公社(KELTRON)のチーフ・マネージング・ディレクターのN・ナーラーヤナ・モールティ(N Narayana Moorthy)氏が出席したビデオ会議で、こうした計画が明らかにされた。さらに会議では、ケララ州政府とサムスン電子(Samsung)社が半導体とチップ設計のためのセンター設立について合意した。
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部