2024年02月
トップ  > インド科学技術ニュース> 2024年02月

女子に対するAI教育の必要性を啓蒙―全国女子・児童デーで インド

インドのナレンドラ・モディ(Narendra Modi)首相は、女子をチェンジメーカーとして称賛し、女子の教育や発展、成功の機会を提供する政府の取り組みを、1月24 日の全国女子・児童デー(National Girl Child Day)にちなんでアピールした。インドの人工知能(AI)関連のポータルサイトINDIAaiが同日付で伝えた。

全国女子・児童デーは、インド社会で女子が直面している困難に関する意識を高めるために制定された日である。その目的は、教育、医療、栄養などへの平等なアクセスを提唱し、女性が経験する不公平な扱いに対する意識を高めることにある。

インドでは、女子の能力を高めて促進するために、毎年、全国的な啓発活動が行われている。一方、AI業界にはジェンダーの包括性と女子の平等性の欠如という重大な問題がある。

AIを活用したテクノロジーは、国連児童基金(ユニセフ)の「子どものためのAIに関する政策ガイダンス(Policy Guidance on AI for Children)」でも示されているように、子どもの福祉を大幅に向上させる可能性がある。しかし、ジェンダーの偏見や差別など、AIエコシステムにある既存の不均衡を是正することによってのみ達成されると考えられている。

ユニセフや国際電気通信連合(ITU)、EQUALSが2020年に報告した「平等な未来へ:STEM(科学・技術・工学・数学)による女子教育の再構築(Towards an Equal Future: Reimagining Girls' Education through STEM)」では、ジェンダーの固定観念が女子のキャリア志向に影響を与えることを断言している。報告書によると、世界の高等教育機関の女子学生のうち、STEM分野への進学は18%であるのに対して、男子学生は35%と差が出ている。

AI教育は、STEM分野の女子に力を与え、テクノロジーとエンジニアリングの分野におけるジェンダーギャップを効果的に埋める上で重要である。AI放課後プログラムは、STEM分野の実践的な学習を提供し、自己肯定感を高め、STEM産業でのキャリアを追求するよう促すなど、女性にとって多くの利点があり、多様で包括的な未来を育む能力のあるものとなっている。

サイエンスポータルアジアパシフィック編集部

上へ戻る