インド工科大学デリー校(IIT-D)は2月26日、より高い性能を持つ持続可能なセメントである石灰石焼成クレイセメント(LC3)の、世界的な科学普及活動の一環としてIIT-Dの指導の下、ケニアのメルー科学技術大学にLC3-テクノロジー・リソース・センター(TRC)アフリカ・プロジェクトを設立したことを発表した。
このプロジェクトは2024年2月14日、IIT-Dのシャシャンク・ビシュノイ(Shashank Bishnoi)教授とスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のカレン・スクリヴェナー(Karen Scrivener)教授により共同で発足した。アフリカの持続可能な開発に貢献し、同地域のセメント研究分野における能力を構築する。さらに、ステークホルダーの協力を促し、サハラ以南のアフリカ全域の建設セクターにおけるLC3技術の採用を促進するよう努める。
今回、IIT-Dはメルー科学技術大学に、アフリカのセメント・建設業界を支援する研究室を開設した。ビシュノイ教授は、「LC3は、世界のセメント産業の持続可能な成長をサポートし、より安価なセメントの提供を可能にすることでアフリカの開発に貢献します」と語った。LC3は、複合セメントの一種で、EPFLとキューバのマルタ・アブレウ中央大学(UCLV)と共同で開発された。ビシュノイ教授率いるIIT-Dの研究者たちは、セメントを実験室から市場に送り出した最大規模の研究に貢献した。
LC3技術は、より低い製造コストで、普通ポルトランドセメント(OPC)と比較して二酸化炭素(CO2)排出量を40%以上削減することにより、持続可能な経済成長を約束するものである。LC3は丈夫で耐久性があり、他のセメントと同じように使用できる。
セメントの主成分であるクリンカの焼成時に発生するCO2排出量が問題となっているが、LC3はクリンカ含有量が少なく、以下のような利点がある:
サイエンスポータルアジアパシフィック編集部